2016年03月07日

静岡県の森林情報がオープンデータに!

静岡県がまたやってくれました!

静岡県では従来から「森林情報共有システム(http://fgis.pref.shizuoka.jp/)」で森林の林小班を公表してきていましたが、
今度はオープンデータとして森林計画図のシェープファイル、森林簿のCSVを2016年3月7日から公開されました。

静岡県「ふじのくにオープンデータカタログ(http://open-data.pref.shizuoka.jp/)」

オープンデータは、出典明示さえ行えば誰でも、いつでも自由に利用できるデータです。

森林計画図の林小班には、樹種や林齢などの情報が保存されています。
Image 2016_03_07_100528.jpg
図:樹種で分類した小班


Image 2016_03_07_101506.jpg
図:林齢で分類した小班

森林簿は、所有者名などの個人情報以外のデータを記録しています。
ここまで出すのは素晴らしいことです。

QGISなどのGISで利用でき、静岡県内の森林関係者、研究者には非常に有用なデータとなるでしょう。
誰でも森林計画や、分析なども行えるようになると思います。

ただし、森林簿はCSVのままだと非常に重く、私のパソコンのQGISではメモリエラーとなってしましました。

そこで、高速に処理できるSpatialiteに変換したデータを作りました。
ドロップボックスに置いてますので、QGISなどで森林簿を使う方は、ぜひダウンロードして下さい。

使い方は、QGISで「Spatialiteレイヤの追加」をクリックし、「新規」ボタンでSpatialiteファイルを指定します。
「接続」ボタンをクリックし、「ジオメトリを持たないテーブルもリストする」にチェックを付け、
「静岡県_森林簿20150331」を選択します。


じつは北海道でも、一般民有林、道有林の森林情報をオープンデータ化するために、事業を進めていました。
多分2016年春くらいには公開できるのではと思いますが、見事に静岡県に先を越されてしまいました。
「全国1番」はやはり違いますね。

北海道でも森林情報をオープンデータ化するにあたり、いろいろ議論はあったそうですが、
このように他県があっさり公開すると、「なんだ」と思ってしまいます。

とにかく、必要な情報を速やかに公開し、利用してもらうというのは非常に重要です。


<追記>
静岡県が公開している森林簿CSVには、計画図のシェープファイルと結合するためのKeyフィールドがありません。
そのため、Keyフィールドを追加したSpatialiteデータを追加しました。
上記の通常の森林簿と同じフォルダに保存しています。



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posted by kouichi at 23:32| Comment(1) | GISその他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月23日

QGISの属性テーブルを編集しやすくしよう!

この記事は、「FOSS4G Advent Calender2015 二個目だよ」に登録した記事です。



■ QGISのレイヤのプロパティの「フィールド」

QGISを使っていると、属性データを編集するときが良くありますが、
決まった名称を入力したいとか、選択して入力したいとか思うことが多々あります。
とくに、GISやデータベースを使い慣れていない方々に、データ入力をお願いすると、
さまざまな独自の入力をしてくれるので、いざQGISで分類しようとしたら、
ものすごくたくさんの分類ができたりします。

自由な入力を制限して、決まった語句を入力したり、
画像のファイルのパスを入力したり、チェックを付けたり、
属性テーブルの入力支援を行えるようにするのが、
レイヤのプロパティの「フィールド」の「編集ウイジェット」です。

Image 2015_12_23_152655.png
図 レイヤのプロパティの「フィールド」


私も以前から「編集ウイジェット」の存在は知っていたのですが、
あまり説明しているテキストもWeb上にないものですか、
自分で分かる範囲で説明しようと思います。

編集ウイジェットで設定した項目は、属性テーブルで使えますが、
地物を新規に作成した時の属性データ入力フォームでも使用できます。


■ 通常は「テキスト編集」

通常のフィールドの編集ウイジェットは「テキスト編集」になっています。
これは、普通にテキストや数字を入力するものです。
また、「テキスト編集」では複数行のテキストを設定する事ができます。
「マルチライン」にチェックをすることで、複数行のテキストを入力することができます。
ラベルにも複数行のラベルを表示できます。

Image 2015_12_23_154142.png
図 マルチラインにチェックすると、複数行のテキストを入力できる




■ 「バリューマップ」で決まった語句を入力

「バリューマップ」を使うと、決まった語句をコンボボックスで表示して、
選択することができるようになります。

Image 2015_12_23_154618.png
図 編集ウイジェットで「マルチライン」を選択

Image 2015_12_23_154906.png
図 設定した項目が選択できる


実際に属性データに格納されるのは、「値」に設定したデータです。
「説明」は、選択するときに表示する項目を設定します。
「値」にコード番号、「説明」にわかり易い内容を設定することもできますし、
「値」と「説明」に同じ内容を設定することもできます。

バリューマップの項目は、既存のレイヤや、CSVからも読み込めます。

リストの順序は、説明の順序になり、ABC順、あいうえお順に並ぶようです。



■ スタイルで分類している項目を選べる「分類」

レイヤのスタイルで「分類された」を選択して、分類する項目を設定している場合、
その分類している項目をコンボボックスで選ぶことができます。

Image 2015_12_23_155835.png
図 スタイルで「分類された」を選択し、分類する項目を設定

Image 2015_12_23_155807.png
図 編集ウイジェットで「分類」を選択

Image 2015_12_23_155903.png
図 スタイルで分類している項目が選択できる


■ チェックのオンオフで入力する項目を設定できる「チェックボックス」

チェックボックのオンオフで、入力する項目を設定できます。
チェックした時としていない時の値を設定しておくと、チェックボックスのオンオフで、
決まったテキストや数字を入力することができます。

Image 2015_12_23_160741.png
図 編集ウイジェットで「チェックボックス」を選択

Image 2015_12_23_160809.png
図 属性テーブルでチェックをつけると

Image 2015_12_23_160839.png
図 チェックした時の値が入力される




■ カラーコードを入力できる「色」

属性データにカラーコードを入力できるのが編集ウイジェットの「色」です。
レイヤの編集モードでは、カラー選択ボックスが表示されて、色を選択できます。
フィールドタイプは、テキストで作成します。

※しかし、Ver2.12.1では、色の選択がうまく行きません。エラーかもしれませんので、
バージョンアップでの修復に期待しましょう。

Image 2015_12_23_161705.png
図 編集ウイジェットで「色」を選択

Image 2015_12_23_161948.png
図 属性テーブルで色選択ボックスが表示されます




■ カレンダーから日付を選択できる「日付/時刻」

日付を入力するときには、編集ウイジェットで「日付/時刻」を選択すると、
カレンダーから日付を入力できます。
カレンダーを使う場合には、「カレンダーポップアップ」にチェックを付けます。
カレンダーを使わない場合は、年、月、日を上下スピンボタンで増減させます。

フィールドタイプは「日付」か「テキスト」で作成します。

Image 2015_12_23_162459.png
図 編集ウイジェットで「日付/時刻」を選択


Image 2015_12_23_162537.png
図 属性テーブルでカレンダーで日付が選択できます




■ ファイルのフルパスを入力できる「ファイル」

ファイルへのリンクなどを作成するときに、ファイルのフルパスを属性データに入力することがあります。
編集ウイジェットで「ファイル」を選択すると、ファイル選択ダイアログを表示して、
ファイルのパスを入力することができます。

Image 2015_12_23_163305.png
図 編集ウイジェットで「ファイル」を選択

Image 2015_12_23_163409.png
図 属性テーブルでファイル選択ダイアログを表示させるボタンが表示されます

Image 2015_12_23_163840.png
図 ファイルのフルパスが入力できます




■ フィールドを非表示にする「非表示」

編集ウイジェットで「非表示」を選択すると、フィールドが表示されません。
表示することが不要なフィールドは「非表示」にしておくと、フィールドが見やすくなります。
ただし、編集時に、編集することもできなくなりますので注意してください。

Image 2015_12_23_164037.png
図 編集ウイジェットで「非表示」を選択




■ 画像ファイルのフルパスを入力する「写真」

属性データに画像ファイルのフルパスを入力すると、地図上に写真を表示したりすることができます。
編集ウイジェットで「写真」を選択すると、画像ファイルを簡単に指定することができます。
画像のプレビューも属性テーブルに表示されます。

Image 2015_12_23_164848.png
図 編集ウイジェットで「写真」を選択


画像サイズは任意に設定できますが、「0」にすると、その画像の最適サイズで表示されます。

Image 2015_12_23_165130.png
図 画像ファイルをファイル選択ダイアログで選択できます

Image 2015_12_23_165453.png
図 画像ファイルを選択すると、プレビューが表示されます

Image 2015_12_23_170057.png
図 属性データをフォーム表示するとプレビューが確認できます




■ 「ユニーク値」で一度入力された値を再入力

ほかのデータですでに使われている値をもう一度入力する場合には、
編集ウイジェットで「ユニーク値」を設定します。
「編集可能」にチェックを付けると、まだ入力されていない新たな値を入力することも可能です。

Image 2015_12_23_170744.png
図 編集ウイジェットで「ユニーク値」を選択

Image 2015_12_23_171302.png
図 「編集可能」にしない場合は、全ての値が表示されます

Image 2015_12_23_171340.png
図 「編集可能」にすると、入力した文字に該当する物が表示されます(オートコンプリート)



■ ほかのレイヤの値を利用「値リレーション」

別のレイヤの値を利用したい場合には、「値リレーション」を使います。
編集ウイジェットで「値リレーション」を指定し、参照したいレイヤを選択します。
「キーカラム」は、実際に属性データに格納される値、
「値カラム」は、選択するときに表示されるデータのカラムを選択します。

Image 2015_12_23_172027.png
図 編集ウイジェットで「値リレーション」を選択

Image 2015_12_23_172105.png
図 「値カラム」で設定した値がリストに表示されます

Image 2015_12_23_172433.png
図 実際に入力される値は「キーカラム」の値です



■ 「範囲」で入力する数値を限定

フィールドタイプが整数値や小数値である場合には、編集ウイジェットの「範囲」で、
入力する値を限定することができます。

数値の最小値と最大値を設定すると、数値を選択することができます。
数値の選択方法は、スピンボタン、スライダー、ダイアルを選択できます。


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図 フィールドタイプが数値の場合は「範囲」を選択できます

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図 スピンボタンで数値を選択します


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図 スライダーで数値を選択します

Image 2015_12_23_173642.png
図 ダイアルで数値を選択します



このほかにも、「列挙」「リレーションの参照」「Uuidジェネレーター」「Webビュー」などがありますが、
使い方がよくわからなかったので省略します。
わかる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。




わたしは、職場でQGISを普及しようとしていますが、一番の問題はデータの更新です。
データ更新時にいかに共通するデータの入力を行ってもらうかが一番重要で、
施設の台帳などにGISを利用しようとした時に、データの入力方法がバラバラだったら、
一括での分析や検索を行うことができません。

誰が入力しても、ある程度共通のデータを入力できるようにできる「編集ウイジェット」は
使い方によっては非常に強力な機能です。

しかし、説明しているテキストが少ないため、すこしでも同じようなことで困っている方の
参考にされば幸いです。

このブログも更新頻度がものすごく少なくなってしまいましたが、申し訳ありません。
来年はもうすこし更新頻度を上げたいと思います。



わたしは、2015年の4月〜9月まで、「現代林業」という林業専門誌でQGISの紹介記事を書いていました。
このたび、現代林業の方から、QGISの本を出さないかということで、現在執筆中です。

職場の許可はまだ正式におりていませんが、多分大丈夫だろうということで、
作業は進めているところです。

内容は林業にとどまらず、QGISの基本的機能や使い方を、逆引き形式で参照できる構成としています。
また、現代林業で紹介した機能の詳しい方法や、それ以外にも林業で使える方法を具体的に説明します。

今のところ3月に出版する計画ですが、もう少し送れるかもしれません。
お楽しみに。

それでは、2015年のいろいろお世話になりました。
2016年も良い年になりますように。
今後も「森林土木MEMO」を、よろしくお願いします。



posted by kouichi at 16:01| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月26日

QGISで赤色立体地図っぽい地図を作る

赤色立体地図というのをご存知でしょうか?
千葉達朗さんという火山研究者の方が考えだした地図なのですが、
ものすごく立体的に見える赤い地図です。
赤色立体地図の調整方法は、アジア航測が特許を持っているとのことです。

赤色立体地図は、傾斜の急な部分を濃い赤にして、
標高の高いところ明るく、低いところを暗くするとできるとのことです。

なので、QGISでそれっぽいのを作ってみました。
本当のレンダリング方法ではないので、
アジア航測の作る地図のようにはっきりとした凹凸は
表現できていないかもしれませんが、
それっぽくはできています。

Image 2015_09_26_132304.jpg



1.標高DEMデータを準備する
  • 国土地理院の基盤地図情報から標高DEMデータを作成します。
    作成方法は、こちらに記載してあります。


2.標高DEMデータから傾斜区分図を作成する
  • 傾斜区分図の作成方法は、こちらに記載してあります。
  • 作成するときに「Zファクタ」「0.5」にしておくと、傾斜が強調されます。


3.傾斜区分図のレンダリング
  • 傾斜区分図を選択し、レイヤのプロパティを開きます。
  • 「スタイル」を選択し、レンダータイプを「単バンド疑似カラー」を選択します。
    バンドを「バンド1(Gray)」にします。
  • 色の補間を「線形」にします。
  • 「+」ボタンをクリックして「0」を追加します。ラベルも「0」を入力します。
  • 「0」の色をダブルクリックして、を選択します。
  • もう一度「+」ボタンをクリックし、値を「90」にします。ラベルも「90」と入力します。
  • 「90」の色をダブルクリックして、を選択します。
  • これで傾斜が90度に近くなるほど赤が濃くなるようにできます。

     Image 2015_09_26_125410.jpg



4.標高DEMのレンダリング
  • 標高DEMを選択し、レイヤのプロパティを開きます。
  • 「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」を選択します。
  • 「最小値/最大値ロード」の「累積個数によるカット」にチェックを付けます。
  • 「精度」の「実際の値(低速)」にチェックを付けます。
  • [読み込み]ボタンをクリックします。
    すると、「新規カラーマップを作成」の「最小」と「最大」に標高DEMの最小値と最大値が入力されます。
    「累積個数によるカット」で値を取得すると、最大値をなんとなく調度良い値を取得してくれます。
     Image 2015_09_26_131742.jpg
  • 「モード」を「等間隔」にして、「分類数」を「3」にします。
  • 色は後で変えるので、カラーマップはなんでも構いません。
  • [分類]ボタンをクリックすると、色リストにデータが追加されます。
     Image 2015_09_26_131943.jpg
  • 色リストの「0」は海ですので水色にします。
  • 色リストの2番めの値とラベルを「1」にしての色をグレーにします。
    グレーは少し濃い目がいいと思います。
    RGBが120~130くらいでしょうか。
  • 色リストの3番めの最大値の色を白にします。
  • カラーレンダリングの「混合モード」を「乗算」にします。

     Image 2015_09_26_131509.jpg


5.レイヤの順番を入れ替え
  • レイヤの順番を、標高DEMを上に、傾斜区分図を下にします。
    標高DEMの「カラーレンダリング」「混合モード」を「乗算」にしているので、下のレイヤの色が上に出てきます。




以上で、赤色立体地図っぽい標高地図ができました。

Image 2015_09_26_132323.jpg
北海道羊蹄山の立体地図


標高DEMの色をいろいろ調整することで、更に見やすい地図ができるかもしれません。
いろいろ試してみてください。
そして良い設定がありましたら教えて下さい。





posted by kouichi at 03:11| Comment(0) | QGIS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする