2015年12月23日

QGISの属性テーブルを編集しやすくしよう!

この記事は、「FOSS4G Advent Calender2015 二個目だよ」に登録した記事です。



■ QGISのレイヤのプロパティの「フィールド」

QGISを使っていると、属性データを編集するときが良くありますが、
決まった名称を入力したいとか、選択して入力したいとか思うことが多々あります。
とくに、GISやデータベースを使い慣れていない方々に、データ入力をお願いすると、
さまざまな独自の入力をしてくれるので、いざQGISで分類しようとしたら、
ものすごくたくさんの分類ができたりします。

自由な入力を制限して、決まった語句を入力したり、
画像のファイルのパスを入力したり、チェックを付けたり、
属性テーブルの入力支援を行えるようにするのが、
レイヤのプロパティの「フィールド」の「編集ウイジェット」です。

Image 2015_12_23_152655.png
図 レイヤのプロパティの「フィールド」


私も以前から「編集ウイジェット」の存在は知っていたのですが、
あまり説明しているテキストもWeb上にないものですか、
自分で分かる範囲で説明しようと思います。

編集ウイジェットで設定した項目は、属性テーブルで使えますが、
地物を新規に作成した時の属性データ入力フォームでも使用できます。


■ 通常は「テキスト編集」

通常のフィールドの編集ウイジェットは「テキスト編集」になっています。
これは、普通にテキストや数字を入力するものです。
また、「テキスト編集」では複数行のテキストを設定する事ができます。
「マルチライン」にチェックをすることで、複数行のテキストを入力することができます。
ラベルにも複数行のラベルを表示できます。

Image 2015_12_23_154142.png
図 マルチラインにチェックすると、複数行のテキストを入力できる




■ 「バリューマップ」で決まった語句を入力

「バリューマップ」を使うと、決まった語句をコンボボックスで表示して、
選択することができるようになります。

Image 2015_12_23_154618.png
図 編集ウイジェットで「マルチライン」を選択

Image 2015_12_23_154906.png
図 設定した項目が選択できる


実際に属性データに格納されるのは、「値」に設定したデータです。
「説明」は、選択するときに表示する項目を設定します。
「値」にコード番号、「説明」にわかり易い内容を設定することもできますし、
「値」と「説明」に同じ内容を設定することもできます。

バリューマップの項目は、既存のレイヤや、CSVからも読み込めます。

リストの順序は、説明の順序になり、ABC順、あいうえお順に並ぶようです。



■ スタイルで分類している項目を選べる「分類」

レイヤのスタイルで「分類された」を選択して、分類する項目を設定している場合、
その分類している項目をコンボボックスで選ぶことができます。

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図 スタイルで「分類された」を選択し、分類する項目を設定

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図 編集ウイジェットで「分類」を選択

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図 スタイルで分類している項目が選択できる


■ チェックのオンオフで入力する項目を設定できる「チェックボックス」

チェックボックのオンオフで、入力する項目を設定できます。
チェックした時としていない時の値を設定しておくと、チェックボックスのオンオフで、
決まったテキストや数字を入力することができます。

Image 2015_12_23_160741.png
図 編集ウイジェットで「チェックボックス」を選択

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図 属性テーブルでチェックをつけると

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図 チェックした時の値が入力される




■ カラーコードを入力できる「色」

属性データにカラーコードを入力できるのが編集ウイジェットの「色」です。
レイヤの編集モードでは、カラー選択ボックスが表示されて、色を選択できます。
フィールドタイプは、テキストで作成します。

※しかし、Ver2.12.1では、色の選択がうまく行きません。エラーかもしれませんので、
バージョンアップでの修復に期待しましょう。

Image 2015_12_23_161705.png
図 編集ウイジェットで「色」を選択

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図 属性テーブルで色選択ボックスが表示されます




■ カレンダーから日付を選択できる「日付/時刻」

日付を入力するときには、編集ウイジェットで「日付/時刻」を選択すると、
カレンダーから日付を入力できます。
カレンダーを使う場合には、「カレンダーポップアップ」にチェックを付けます。
カレンダーを使わない場合は、年、月、日を上下スピンボタンで増減させます。

フィールドタイプは「日付」か「テキスト」で作成します。

Image 2015_12_23_162459.png
図 編集ウイジェットで「日付/時刻」を選択


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図 属性テーブルでカレンダーで日付が選択できます




■ ファイルのフルパスを入力できる「ファイル」

ファイルへのリンクなどを作成するときに、ファイルのフルパスを属性データに入力することがあります。
編集ウイジェットで「ファイル」を選択すると、ファイル選択ダイアログを表示して、
ファイルのパスを入力することができます。

Image 2015_12_23_163305.png
図 編集ウイジェットで「ファイル」を選択

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図 属性テーブルでファイル選択ダイアログを表示させるボタンが表示されます

Image 2015_12_23_163840.png
図 ファイルのフルパスが入力できます




■ フィールドを非表示にする「非表示」

編集ウイジェットで「非表示」を選択すると、フィールドが表示されません。
表示することが不要なフィールドは「非表示」にしておくと、フィールドが見やすくなります。
ただし、編集時に、編集することもできなくなりますので注意してください。

Image 2015_12_23_164037.png
図 編集ウイジェットで「非表示」を選択




■ 画像ファイルのフルパスを入力する「写真」

属性データに画像ファイルのフルパスを入力すると、地図上に写真を表示したりすることができます。
編集ウイジェットで「写真」を選択すると、画像ファイルを簡単に指定することができます。
画像のプレビューも属性テーブルに表示されます。

Image 2015_12_23_164848.png
図 編集ウイジェットで「写真」を選択


画像サイズは任意に設定できますが、「0」にすると、その画像の最適サイズで表示されます。

Image 2015_12_23_165130.png
図 画像ファイルをファイル選択ダイアログで選択できます

Image 2015_12_23_165453.png
図 画像ファイルを選択すると、プレビューが表示されます

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図 属性データをフォーム表示するとプレビューが確認できます




■ 「ユニーク値」で一度入力された値を再入力

ほかのデータですでに使われている値をもう一度入力する場合には、
編集ウイジェットで「ユニーク値」を設定します。
「編集可能」にチェックを付けると、まだ入力されていない新たな値を入力することも可能です。

Image 2015_12_23_170744.png
図 編集ウイジェットで「ユニーク値」を選択

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図 「編集可能」にしない場合は、全ての値が表示されます

Image 2015_12_23_171340.png
図 「編集可能」にすると、入力した文字に該当する物が表示されます(オートコンプリート)



■ ほかのレイヤの値を利用「値リレーション」

別のレイヤの値を利用したい場合には、「値リレーション」を使います。
編集ウイジェットで「値リレーション」を指定し、参照したいレイヤを選択します。
「キーカラム」は、実際に属性データに格納される値、
「値カラム」は、選択するときに表示されるデータのカラムを選択します。

Image 2015_12_23_172027.png
図 編集ウイジェットで「値リレーション」を選択

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図 「値カラム」で設定した値がリストに表示されます

Image 2015_12_23_172433.png
図 実際に入力される値は「キーカラム」の値です



■ 「範囲」で入力する数値を限定

フィールドタイプが整数値や小数値である場合には、編集ウイジェットの「範囲」で、
入力する値を限定することができます。

数値の最小値と最大値を設定すると、数値を選択することができます。
数値の選択方法は、スピンボタン、スライダー、ダイアルを選択できます。


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図 フィールドタイプが数値の場合は「範囲」を選択できます

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図 スピンボタンで数値を選択します


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図 スライダーで数値を選択します

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図 ダイアルで数値を選択します



このほかにも、「列挙」「リレーションの参照」「Uuidジェネレーター」「Webビュー」などがありますが、
使い方がよくわからなかったので省略します。
わかる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。




わたしは、職場でQGISを普及しようとしていますが、一番の問題はデータの更新です。
データ更新時にいかに共通するデータの入力を行ってもらうかが一番重要で、
施設の台帳などにGISを利用しようとした時に、データの入力方法がバラバラだったら、
一括での分析や検索を行うことができません。

誰が入力しても、ある程度共通のデータを入力できるようにできる「編集ウイジェット」は
使い方によっては非常に強力な機能です。

しかし、説明しているテキストが少ないため、すこしでも同じようなことで困っている方の
参考にされば幸いです。

このブログも更新頻度がものすごく少なくなってしまいましたが、申し訳ありません。
来年はもうすこし更新頻度を上げたいと思います。



わたしは、2015年の4月〜9月まで、「現代林業」という林業専門誌でQGISの紹介記事を書いていました。
このたび、現代林業の方から、QGISの本を出さないかということで、現在執筆中です。

職場の許可はまだ正式におりていませんが、多分大丈夫だろうということで、
作業は進めているところです。

内容は林業にとどまらず、QGISの基本的機能や使い方を、逆引き形式で参照できる構成としています。
また、現代林業で紹介した機能の詳しい方法や、それ以外にも林業で使える方法を具体的に説明します。

今のところ3月に出版する計画ですが、もう少し送れるかもしれません。
お楽しみに。

それでは、2015年のいろいろお世話になりました。
2016年も良い年になりますように。
今後も「森林土木MEMO」を、よろしくお願いします。



posted by kouichi at 16:01| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月26日

QGISで赤色立体地図っぽい地図を作る

赤色立体地図というのをご存知でしょうか?
千葉達朗さんという火山研究者の方が考えだした地図なのですが、
ものすごく立体的に見える赤い地図です。
赤色立体地図の調整方法は、アジア航測が特許を持っているとのことです。

赤色立体地図は、傾斜の急な部分を濃い赤にして、
標高の高いところ明るく、低いところを暗くするとできるとのことです。

なので、QGISでそれっぽいのを作ってみました。
本当のレンダリング方法ではないので、
アジア航測の作る地図のようにはっきりとした凹凸は
表現できていないかもしれませんが、
それっぽくはできています。

Image 2015_09_26_132304.jpg



1.標高DEMデータを準備する
  • 国土地理院の基盤地図情報から標高DEMデータを作成します。
    作成方法は、こちらに記載してあります。


2.標高DEMデータから傾斜区分図を作成する
  • 傾斜区分図の作成方法は、こちらに記載してあります。
  • 作成するときに「Zファクタ」「0.5」にしておくと、傾斜が強調されます。


3.傾斜区分図のレンダリング
  • 傾斜区分図を選択し、レイヤのプロパティを開きます。
  • 「スタイル」を選択し、レンダータイプを「単バンド疑似カラー」を選択します。
    バンドを「バンド1(Gray)」にします。
  • 色の補間を「線形」にします。
  • 「+」ボタンをクリックして「0」を追加します。ラベルも「0」を入力します。
  • 「0」の色をダブルクリックして、を選択します。
  • もう一度「+」ボタンをクリックし、値を「90」にします。ラベルも「90」と入力します。
  • 「90」の色をダブルクリックして、を選択します。
  • これで傾斜が90度に近くなるほど赤が濃くなるようにできます。

     Image 2015_09_26_125410.jpg



4.標高DEMのレンダリング
  • 標高DEMを選択し、レイヤのプロパティを開きます。
  • 「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」を選択します。
  • 「最小値/最大値ロード」の「累積個数によるカット」にチェックを付けます。
  • 「精度」の「実際の値(低速)」にチェックを付けます。
  • [読み込み]ボタンをクリックします。
    すると、「新規カラーマップを作成」の「最小」と「最大」に標高DEMの最小値と最大値が入力されます。
    「累積個数によるカット」で値を取得すると、最大値をなんとなく調度良い値を取得してくれます。
     Image 2015_09_26_131742.jpg
  • 「モード」を「等間隔」にして、「分類数」を「3」にします。
  • 色は後で変えるので、カラーマップはなんでも構いません。
  • [分類]ボタンをクリックすると、色リストにデータが追加されます。
     Image 2015_09_26_131943.jpg
  • 色リストの「0」は海ですので水色にします。
  • 色リストの2番めの値とラベルを「1」にしての色をグレーにします。
    グレーは少し濃い目がいいと思います。
    RGBが120~130くらいでしょうか。
  • 色リストの3番めの最大値の色を白にします。
  • カラーレンダリングの「混合モード」を「乗算」にします。

     Image 2015_09_26_131509.jpg


5.レイヤの順番を入れ替え
  • レイヤの順番を、標高DEMを上に、傾斜区分図を下にします。
    標高DEMの「カラーレンダリング」「混合モード」を「乗算」にしているので、下のレイヤの色が上に出てきます。




以上で、赤色立体地図っぽい標高地図ができました。

Image 2015_09_26_132323.jpg
北海道羊蹄山の立体地図


標高DEMの色をいろいろ調整することで、更に見やすい地図ができるかもしれません。
いろいろ試してみてください。
そして良い設定がありましたら教えて下さい。





posted by kouichi at 03:11| Comment(0) | QGIS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月05日

QGISの解説本が最近多いよ

当ブログでもQGISの解説書を公開していますが、
「QGISマニュアル」はVer1.8対応なので少し古いです。
「QGISで森林GISマニュアル」は、Ver2対応ですが、現在(2015年9月)では、
QGISはVer2.10.1となっており、画面の表示や機能が追加されていたり、
少々こちらも古くなってきています。

以前までは発売しているQGISの解説本もVer1.x対応が多かったですが、
最近はVer2対応の解説本も増えてきました。

私の記録用としても、ここで一度まとめておこうと思います。


■[オープンデータ+QGIS]統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方


bousaiGIS.jpg

行政機関などで公開されている「オープンデータ」を、QGISを使って視覚的にわかりやすく表現する方法を解説されています。
いくつかの章に分かれて様々なデータの扱い方が書かれていて、非常にわかりやすいです。
GISの基本や座標参照系などもわかりやすく解説されています。

ある程度QGISを使ったことのある人が、もう一歩地図表現を勉強するのにいい本です。



■QGIS入門 第2版


GISnyuumonn2.jpg

QGISを初めて使うかたに、まずQGISがどのようソフトなのかわかりやすく説明している解説本です。
第1版は日本で一番初めに発売されたQGISの入門書で、2015年9月にVer2に対応した第2版が発売されました。


■フリーソフトでここまでできる 実務に使う林業GIS


ringyouGIS.jpg

QGISを林業で使うために様々な技を紹介している本です。
GoogleEarthとの連携や、GPSの利用方法なども紹介しています。
林業に特化しているので、林業者にはわかりやすい本となっています。


■QGIS自習室(Kindle版)


GISjishuusitu.jpg


AmazonのKindleのみで発売している解説本です。
目的別に分けて発売されていて、一冊100〜300円ほどです。
全部買っても1000円しません。


■使ってみよう!QGIS利用ガイド


QGISriyougaido.jpg

Amazonで発売されているQGIS解説本。
2015年9月から発売されていて、「01準備編」「02レイヤ操作編」「03レイヤスタイル編」の3冊が発売されています。
今後もシリーズが発売されるようです。
こちらも100〜300円と安く発売されています。
また、こちらの本は、紙の本のように表示されるので、見やすいと思います。
それにしても「球児巣 史郎(QGIS知ろう?)」って。


2015年10月3日追記
■QGISの基本と防災活用


210745.jpg


北海道大学の橋本教授によるQGISの防災活用マニュアル。
QGISを利用した防災情報の分析方法などを詳しく説明しています。
特に津波浸水データを利用して様々な分析、ハザードマップの作成など
詳しく説明しています。
最新のQGIS2.10.1で説明しています。




紙でも発売されている書籍は基本的に高いですが、
Kindleで発売されている本は非常に安いですね。

もちろん、このブログのように無料で公開されているマニュアルもありますし、
Web検索で使い方を調べることもできます。

今後もたくさんのQGIS解説本が発売されて、
色々選べるようになればいいですね。


posted by kouichi at 19:37| Comment(2) | QGIS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする