2018年09月19日

【市町村向け】北海道オープンデータジオデータベースを作りました

都道府県や市町村がオープンデータを作るときに、施設の一覧などには緯度経度をつけると、地図上に位置が表示されるようになり、オープンデータを便利に利用できるようになります。
オープンデータを利用したアプリを作るときにも、位置情報があると、地図と連携しやすくなります。

しかし、オープンデータを作る担当者にしてみたら、地図から緯度経度を取得して、一覧表に記録するのは結構な手間です。
10個くらいならいいですが、それが100個もあると嫌になります。
そのため、面倒くさくて、オープンデータが進まないということもあるかもしれません。

そこで、北海道限定ですが、施設名称から緯度経度を検索できるCSVファイル「北海道施設位置情報データベース」を作成しました。

おもに国土数値情報を利用して施設の位置を作りましたが、すでに公開されている北海道内の市町村のオープンデータも使っています。

緯度経度データの結合は「CSVJOIN」というフリーソフトや、ExcelのVlookup関数、QGISのフィールド結合などで行なえます。

道内市町村のオープンデータ担当者に使っていただき、オープンデータを簡単に公開できるようにしていただければと思います。
道内のオープンデータが更に進めば良いと思います。



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2018年09月09日

平成30年北海道胆振東部地震 厚真町 正射画像の崩壊地をトレースしました

平成30年(2018)9月6日に北海道胆振地方東部で震度7の大地震が発生しました。
私自身も被災しましたが、札幌市内は一部を除いて復旧は早かったのですが、
この地震で被害に合われた方、亡くなられた方がたくさんいらっしゃいます。
心からお見舞いを申し上げます。


国土地理院の空中写真

震源に近い厚真町周辺では、大きな地震動によって大規模な山腹崩壊がおこり、大量の土砂が流出し、被害が拡大しています。
国土地理院は、素晴らしく早い対応で、9月7日に厚真町を中心とした空中写真オルソ画像を公開しました。
この画像データは政府標準利用規約(第2版)に準拠しており、実質オープンデータとして公開され、出典明示さえ行えば自由に利用できます。
そこで、崩壊地をトレースしGISデータ化をすることにしました。

image01.png
背景地図は「平成30年北海道胆振東部地震 厚真川地区 正射画像(2018年9月6日撮影)」


トレースしたGISデータはGitHubで公開

トレースしたGISデータはGitHubで公開しています。
上にアクセスできない場合はこちら(https://koukita.github.io/2018_09_06_atumatyou/

トレースしながら感じたことは、今は土砂が下流まで流出していなくても、沢の中に大量の土砂が堆積している「土砂ダム」がかなりの数あることです。そしてその下流には人家が点在しています。
今後すべての土砂を撤去するのなどは不可能でしょうから、土砂ダムの位置をきちんと把握し、大雨や雪解けなどで被害が出ないようにしていただければと思います。


現地調査の利用してください

今後、北海道庁や国の調査、研究機関の調査など現地調査が盛んに行われるでしょう。
現地は携帯の電波が届かない山の中ですので、スマホやタブレットでオフラインで使える地図データを準備しています。
また、GARMINハンディGPS用のIMGファイルも置いてありますので、ぜひご活用ください。


印刷物、Webで公開する場合には出典明示

作成した地図を、印刷物やインターネットで公開する場合には、確実な出典明示を行ってください。
明示方法は、公開ページに書いてあります。

posted by kouichi at 23:37| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月17日

QGIS3からはGeopackageが使いやすいぞ!脱シェープファイル!

注意!この記事はかなり古い情報です。現在のQGISとは操作方法が違いますので注意してください


この記事は、FOSS4G Adventカレンダー2017に参加した記事です。

 2017年の12月中にQGIS3.0がリリースされるという噂があり、毎日のようにQGISのオフィシャルホームページをチェックしていますが、2017年12月17日現在ではまだリリースされていません。12月中にリリースされれば、年末年始はサワサワ触りまくってやるのにと思っていましたが・・・。

 そこで、予行演習も兼ねて、OSGeo4wで利用できる開発版の2.99(内容はほぼ3.0と同じと思われる)を最近触ってみています。

(これ以降はQGIS2.99をQGIS3.0として書いていきます。)


QGIS3ではGeopackageがデフォルトになる?


 ファイルの入出力や、プロセッシングツールなどを見ていると、いままでは、シェープファイルがデフォルトになっていましたが、QGIS3.0ではGeopackageがデフォルトになっています。

 ここからわかるように、QGISもやっと脱シェープファイルを考えているのだと思われます(多分ですよ、多分)。

 昨年のFOSS4G AdventカレンダーでもGeopackageの記事がありましたが、QGIS2ではまだまだ使える状況ではありませんでした。

 QGIS3からは、GeopackageをQGISのデフォルトのファイル形式としましょうということなのでしょう。



Geopackageってなに?


 Geopackageとは、「オープンで標準に準拠したプラットフォームに依存しない、移植性の高い自己記述型のコンパクトなフォーマット」ということで、SQliteデータベースに様々なGISデータを格納できるファイルです。私自身はSpatialiteとどこが違うのかはよくわかっていませんが、Geopackageは、ベクタデータはもちろん、ラスタや、Mbtilesなどさまざまなデータを格納でき、ひとつのファイルにすることができます。

 ArcGISでもArcGIS10.2.2からGeopackageをサポートしているとのことです。QGISで作成したものがArcGISで利用できるかは不明ですが、多分大丈夫なような気がします。



Geopackageにデータを追加する


 QGIS3では、ブラウザパネルのGeopackageファイルにレイヤパネルからレイヤをドラッグ&ドロップするだけで、Geopackageにデータを追加できます。(Geopackageファイルのパスに2バイト文字が含まれるとエラーになります)

 ラスタレイヤもドラッグ&ドロップで追加することができます。

01.png


 レイヤを名前をつけて保存することでもGeopackageにデータを保存できます。

(名前をつけて保存したレイヤは、ブラウザパネルの「Geopackage」で表示されない場合があるようです)

02.png


 Geopackageファイルには、様々なGISデータを格納できるので、地図を作るためのファイルの数を非常にコンパクトにすることができます。

 今まではシェープファイルやラスタファイルを複数使って地図を作った場合、数十個のファイルを必要としていましたが、Geopackageでは一つでいいのです。

 ファイルサイズ自体はそれほど変わらないと思いますが、ファイル数が少なくなるのはいいことです。

03.png



Geopackageにはレイヤスタイルも保存できる


 Geopackageには、レイヤスタイルを保存することができます。Geopackageから追加したレイヤのレイヤプロパティを表示して「シンボロジー」の「スタイル」ボタン→「スタイルを保存」に「データベースに保存(Geopackage)」があります。

04.png


 ここでスタイルをGeopackageファイルの保存すると、そのレイヤのデフォルトのスタイルとして登録することもできます。

QGIS2.99では、スタイルを保存するとQGISが落ちますが、保存はされているようです)



まとめ


 QGIS2までは、シェープファイルがデフォルトのようだったので利用していましたが、フィールド名の文字数の縛りや、文字コードの問題、ファイルの数が多いなどいろいろな問題がありました。これが今後はGeopackageで解決していけば、非常に良いことだと思います。

 シェープファイルには、安室奈美恵と一緒に引退していただき、新たな世代にその座を譲っていただきましょう。

 QGIS2.99では日本語だとうまく行かなかったり、Geopackageにラスタを追加すると、削除できなかったりするようなので、もうすこし熟成が必要かもしれませんが、今後さらに進化していくことが楽しみです。



ラベル:QGIS
posted by kouichi at 15:08| Comment(4) | QGIS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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