2015年07月14日

地理院の地図コンテンツの利用規約がわかりづらい?

現在、国土地理院の地図は、地理院地図として地図タイルで利用できるようになっています。

この地理院地図の地図タイル画像(「地理院タイル」といいます)を利用するために、
利用規約があるのですが、イマイチわかりづらいということで、
わかりやすまとめてみようと思います。

ただし、国土地理院に確認した事項もありますが、私がWebサイトを読んで、
理解した項目もあるので、実際に利用するためには、国土地理院にお問い合せください。


地理院コンテンツとは?

 まず、利用規約を読んでわかりづらいのが、「地理院コンテンツ」という言葉です。
地理院コンテンツとは、国土地理院が提供するデータのことです。

地理院地図のタイル画像、空中写真、基盤地図情報のダウンロードデータなど、
国土地理院のホームページでダウンロード出来るデータが、すべて「地理院コンテンツ」です。

 利用規約は、すべての地理院コンテンツに共通する事項が記載されています。


出典明示だけで地図が使えるのか?

 一見、利用規約だけ見ると、出典明示だけで地図が自由に使えるような気がしますが、
実はほとんどの地図は自由には使えません。

 そこには、利用規約に書いてある
4) 個別法令による利用の制約があるコンテンツについて
が適用される地図があるためです。

 「個別法令」とは、おもに「測量法」です。
測量法の「29条(使用)」と「30条(複製)」に関する事項が適用され、申請が必要となります。

 基盤地図情報などは「基本測量成果」なので、当然測量法に基づく申請が必要になります。

 そして、地理院タイルも元は基盤地図情報を使っているものは、「基本測量成果」なので申請が必要です。


どの地図が基本測量成果なのか?

 では、地理院タイルのどの地図が「基本測量成果」を使用しているのでしょうか?
これは、地理院タイルの一覧で確認することが出来ます。

この一覧で、緑色になっていて、備考欄に
この地理院タイルは基本測量成果(名称:電子地形図(タイル))です。
と記載されている地図が、すべて基本測量成果です。

「標準地図」、「淡色地図」は、基本測量成果ですので、使用または複製の申請が必要です。



申請なしで利用できる範囲

 上記のような基本測量成果を利用した地図でも、使用方法によっては申請なしで利用できます。

<出典明示して利用できる(申請不要)>
   刊行物の場合、1ページに対する画像の大きさや、Webページに載せる画像の大きさで、
   申請が必要ななる場合がありますので注意が必要です。

<出典明示をしなくても利用できる(申請不要)>

 これらは、「承認申請Q&A」のページがわかりやすく書いてあるので、参照してください。


二次利用する場合には?

 すでに「使用」や「複製」された地理院地図を、二次利用する場合には、
元の地理院地図と同じ条件で、申請が必要かどうか決まります。

 つまり、「刊行物に少量の地図を挿入した地図画像」(申請なしで出典明示)したものを、
インターネットに載せる場合には、画像サイズによって複製の申請が必要になります。


Web地図で利用する場合は?

 OpenlayersやLeafletなどのWeb地図の背景に地理院地図を使う場合は、
地理院コンテンツの利用規約が適用され、出典明示で利用できるようです。(多分)

 これは、動的に地図を切り替えることが可能で、
ズームレベル、表示範囲も自由に変更できる状態であることが必要です。



以上、地理院地図の利用規約について、少しまとめてみました。
もしかしたら間違っているところもあるかもしれませんので、その際はコメントください。




posted by kouichi at 01:08| Comment(2) | Web地図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月15日

WEB地図ってどこまで自由に使用できるの?

FOSS4G Advent Calender 2013」という企画に誘っていただき、
今回の記事を作成しました。

内容は題名のとおりです。
「FOSS4G」とは少し違う内容かもしれませんが、地図のことだからいいでしょうか?

私は仕事で地図を使った図面をよく作ります。
工事箇所の位置図であったり、調査資料の図面であったり。
図面の背景図には、WEB地図を使ったり、
国土地理院の数値地図(地図画像)を、カシミール3Dで使ったりします。
特にWEB地図は無料で表示できるし、QGISのOpenLayersPluginでも使用できます。

しかし、これらのWEB地図には著作権が存在し、使用できる範囲が決められています。
使用できる範囲を確認せずに使うと、大変なことになるかもしれません。(こわい〜)
私の周りでも、使用許諾の範囲を超えた地図の使用がちょくちょく見られます。

今回この記事を書いたのは、仕事で使っている地図が、正しい使い方なのか、
よくわからなくなってきたため、まとめようと思いました。
そして、使用できる範囲を超えた地図の使用がなくなるように、
主要なWEB地図は、どこまで使うことが出来るのか調べてみました。
(記事は少し長いです)

なお、以下の内容は、一応WEBサイトを検索して調べた内容ですが、
思い込み等もあるかもしれませんので、間違いがあればコメントなどで教えて下さいね。


  • Google map及びGoogle Earth
多分日本で一番使われているWEB地図でしょう。
私も仕事でよく使います。
特に、ナビ機能というか、A地点からB地点の路線距離が簡単に調べられるので、
資材の運搬距離の算出などに使っています。

GoogleMap及びGoogle Earth(以下まとめてGoogleマップと言います)は、
ここに使用許諾が記載されていて、具体的な使用例も記載されています。
Googleマップは、コンテンツを提供しているGoogleと、
地図画像を提供している会社(日本ではZENRIN)とは、別の著作権があります。
そのため、地図画像単独の使用許諾をGoogleが行うことは出来ません。
必ずGoogleのコンテンツが、地図画像や空中写真に表示されている必要があるようです。
(例えば、Googleマップのピンマークのアイコンなど)
また、すべての場合において、権利帰属表示を行う必要があります。

<WEBページで使う場合>
ブログやWEBサイトにGoogleマップを表示したい場合、
地図を動かせる状態で貼り付けなければなりません。
こんな感じです。

地図をスクリーンショットしたものは、使用できません。
Image 2013_12_07_234518.jpg
こういうのはダメです。(モザイク処理していますが、それもダメなら削除します。)

<GISで使う場合>
GISでの使用も、特定箇所を切り取った画像を背景として使うことは出来ません
QGISのOpenLayersPluginのように、
オンラインで世界中の範囲を表示できる状態であれば、
背景として使用できるようです。
オフラインでGoogleマップを使うことは出来ません。

<印刷物で使う場合>
GISでGoogleマップを使用できる場合でも、印刷は話が別です。
個人的な利用以外では、「明示的な許可」(多分Googleに申請して、使用許可をもらうことだと思います)が、無い場合には殆どの使用は許可されません。

印刷機能がついていますので、全く許可されないということではないです。
あくまでも自分用の地図であれば、自由に印刷できます。


請負業者や環境コンサルタントによる報告書の典拠資料」の項目で、
印刷物に使用できるように読めますが、
「対象とする景観の分析が Google マップまたは Google Earth を使用して行われた場合」
というのが気になります。
例えば、上に書いたように、役所で発注する工事の積算資料として、
Googleマップのナビ機能を使って資材の運搬距離を算出した場合、
分析をGoogleマップを使ったので、印刷して資料として添付してもいいのか、ちょっと微妙です。
あくまで手持ち資料で、公開するわけではありませんので、私はいいのではないかと解釈していますが・・・。

とはいえ基本的には、公的な印刷物には許可無く使用することは出来ない。と思ったほうがいいでしょう。

※2015年12月からGoogleMapの使用許諾が変わっています。
記事の内容に古い情報がありますので、一部修正しました。(2016年5月31日修正)

ビジネスでの印刷物についても、条件付きで書籍や社内資料、プレゼンテーションなどへの利用が可能となっています。
しかし、不特定多数へ配布されるガイドブック等への使用はできないので、
プレゼンテーションや資料に関してもクローズな内部資料のみでの利用は可能ですが、
その資料をインターネットで公開するとか、プレゼンテーションをSlideShareで公開するとかする場合には、
GoogleMap、GoogleEarthの地図を利用することはできません。
論文などでも予稿集となって不特定多数に配布する、将来的にインターネットに公開される場合には、
利用することはできません。

役所などへ提出する成果品などは、将来的に開示請求などで公開されたり、
オープンデータとして公開されるという可能性がゼロとはいえませんので、
これらの資料にもGoogleMapは利用しないほうがいいと思います。

内部資料で利用する場合でも、権利帰属表示は行う必要があります。

※過去に私の作成した資料で、「飲み会の案内図も利用できない!」と書いていた場合がありますが、配布先が仲間内のみであれば、個人利用の範囲と解釈できるようです。

●商用の商品への利用
●広告への利用、
●ガイドブックなど特定多数が入手、ダウンロードできる資料への利用
●将来的に公開される可能性のある資料
このようなものには利用不可であるということです。





  • Yahoo地図
Yahoo地図も便利なWEB地図です。
いなかの市町村では、Googleマップより細かい地図が表示されます。

Yahoo地図の使用については、ここに記載されています。

Yahoo地図もGoogleと同じで、WEB上での利用のみ許可しています。
印刷物や動画、テレビ番組などでの利用は、全く許可されていません。
(簡潔でわかりやすい説明です。)

地図画像や空中写真の「画像」の利用については、
各提供会社に問い合わせてほしいとのことです。


  • 地理院地図(電子国土web
国土地理院が提供するWeb地図です。
最近「地理院地図」という名称にかわり、リニューアルされたようです。
オープンソースのFOSS4Gがふんだんに使われているということです。すごいですね。
http://portal.cyberjapan.jp/site/mapuse4/


地理院地図の地図は、基盤地図情報のデータと同じように、
必要な場合には「使用」または「複製」の申請を行う必要があります。
「国土地理院の地図の利用」については、こちら
「国土地理院の地図」とは「地理院地図の画像」「基盤地図情報」「数値地図」
「国土数値情報」などを指します。

しかし、次のような場合には、特に申請をしなくても使用・複製をすることができます。
<使用>
●私的に利用する場合
 例えば、仲間数人の飲み会の待ち合わせ場所の地図としてその日のみ使うとか、
 サークルの仲間内のみで使う一時的な地図とか。
●学校や教育機関(塾や予備校は含まれない)で使用する場合
●一時的な資料として使用する場合
 例えば会議などで一時的に使用して、保管しないで捨てるような場合。
●イラスト的に使用する場合
 例えばハンカチやTシャツに印刷するなど、縮尺を持たない場合。

<複製>
●社内、同好会、サークルで30部以内の資料を作る場合
 30部を超えた場合は、申請は必要ないが、再度ダウンロード等が必要
●自治体等に提出する報告書等に地図を添付する場合
 
また、次のよう場合には、出所を明示することで使用・複製ができます。
<使用>
●学術論文に利用する場合
●試験問題に利用する場合
●テレビ番組で短時間に利用する場合
●刊行物に少量に地図を添付する場合
 刊行物の場合には、1ページに対する地図の大きさなどが決められています。
 こちらを参考にして下さい。

<複製>
●博物館等のパネル展示に使用する場合

ちなみに、出所の明示方法は、こちらです。

申請が必要なのは、
・測量に利用する場合
・刊行物やインターネットを不特定多数の人が閲覧できる場合
に申請が必要なようです。

しかし、申請も「測量成果ワンストップサービス」を使えば簡単に申請できます。

私達のような工事の位置図などを作るときには、一番使いやすい地図かもしれません。


===追 記===

上記の「複製」「使用」で申請が必要な物は、測量法の対象となる地図です。
こちらのページ(地理院地図:技術情報)で表が緑になっている地図が、
測量法などの対象となる地図なので、上記の「複製」「使用」の申請対象となります。
一方、表が淡黄色のモノ(白地図やオルソ空中写真など)は、
地理院コンテンツ利用規約」というものの対象となるので、
出典明示のみで様々な資料に使うことができます。

=========追記終わり

===さらに追 記===

使用申請を行って作成した地図(成果品)は、
元データを使用申請した許可番号等を記載すれば、二次利用が可能です。
例えば、地理院地図をトレースして別の地図をシェープファイルで作成した場合、
使用申請でトレースの使用許可をとります。
出来上がった成果品は自分のものですので、自由に二次利用ができます。
ただし、基盤地図情報そのままというのはダメです。ある程度独創性が必要ということです。
(コメントを受けて一部削除)

私は、基盤地図情報の行政区画を使って、ポリゴンを簡素化し、
ファイルサイズを小さくしたgeojsonファイルを作成しています。
出来上がった成果品は、Webにオープンデータとして公開する予定です。
https://sites.google.com/site/kibanshapehokkaido/01_hokkaido_gyousaikai/01_2gyousei_geojson

地理院地図の利用規約について、もっと細かく解説した記事もありますので、
こちらも参照してください。

=========さらに追記終わり



  • OpenStreetMap
地図のWikipediaといわれるもので、世界中の方がOpenStreetMapの地図を作っています。
http://www.openstreetmap.org/

OpenStreetMapの使用については、こちらに記載されています
基本的に「OpenStreetMap and contributors、地図はCC BY-SA としてライセンス」と
記載すれば、データを自由にコピー、配布、送信、利用することができます。
商用利用もCC BY-SAライセンスを守ればOKです。

私も最近はOpenStreetMapのマッピングを行っていて、
「JOSM」というツールを使って、昼休みにコツコツ自分の街をマッピングしています。
Bingの空中写真をトレースするので、とても簡単にマッピングできます。
GPSでログを取って、それをトレースすることもできます。

データの利用が自由なので、ガーミンのGPS用の地図や、
GISの背景にも使えます。
また、これらのデータを公開してくれている人もいます。以前の記事参照





まとめ
私のように、工事の位置図やGISの背景に使うのなら、
地理院地図」か「OpenStreetMap」がいいようです。

特にOpenStreetMapは、ベクタデータも利用できるので、
GISには重宝します。
国土地理院の等高線と組み合わせればバッチリです。
ちなみに北海道の等高線データ(ShapeFile)は、
このブログのサイドバーにダウンロードできるサイトのリンクが有ります。

不特定多数の人が閲覧できる状態でなければ、
地理院地図も印刷するだけで使えるのでいいでしょう。

あとは、空中写真がもっと充実すればいいかもしれません。
どうしても現状はGoogleEarthを見てしまうので・・・。
空中写真を自由に使えるWeb地図ができれば、最高なのですが。


===追 記===
<ルート検索や距離検索を行いたい場合>

GoogleMapやYahoo地図でルート検索を行って、その結果を印刷したい場合があります。
GoogleMapやYahoo地図では、印刷した地図を配布したり資料に使用したりはできません。

しかし、いい方法があります。
Yahoo地図では、地図のみOpenStreetMapに切り替えることができます。
Yahoo地図のOpenStreetMapは、道路以外の情報はほとんど省略された、
非常に簡素な地図ですが、距離測定した結果に利用するには特に問題ありません。
Yahoo地図でルート検索や距離測定を行って、表示地図をOpenStreetMapに切り替えて、
印刷を行えば、自由に配布、使用、掲示などを行うことができます。
うまく利用してください。

=========追記終わり

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

ということで、あまりFOSS4Gとは関係ない内容であったかもしれませんが、
ここまで読んでいただきありがとうございました。

はじめにも書きましたが、間違いがあればすぐに修正しますので、
コメントで教えてください。

またしばらく冬眠に入るかもしれませんし、すぐ更新するかもしれません。
気まぐれなブログですが、よろしくお願いします。





posted by kouichi at 08:00| Comment(5) | Web地図 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする