2011年12月17日

基盤地図情報から傾斜区分地図を作る(その2)

注意!この記事はかなり古い情報です。現在のQGISとは操作方法が違いますので注意してください



<QGISに標高データを表示する>


QGISを入手していない場合は、右の「GIS関係リンク集」の「QGIS WIKI」からダウンロードして下さい。

QGISは、Ver1.7.2で説明します。


QGISを起動し、「ラスタレイヤの追加」で前の手順で作成した「merge.tif」を選択します。

エクスプローラから「レイヤ」に直接ドロップしてもOKです。

  ↓

Image 2011_12_17_001028.jpg

  ↓

Image 2011_12_17_001134.jpg


開くと、グレーの四角が画面に表示されます。

  ↓

Image 2011_12_17_001257.jpg



<プロジェクトの測地系を設定する>


表示された標高データは、変換時に指定した座標系になっています。

しかし、プロジェクト(地図全体)の測地系は設定されていないので、

標準では「WGS84」になっています。

標高データの測地系と、プロジェクトの測地系を合わせます。


レイヤ名を右クリックし、「レイヤのCRSをプロジェクトに設定する」を選択します。

  ↓

Image 2011_12_17_002024.jpg


これで、プロジェクトの測地系が標高データとおなじになりました。

一応「設定」→「プロジェクトのプロパティ」で確認しておきます。

  ↓

Image 2011_12_17_002223.jpg


他の測地系のデータを同時に表示する場合には、

「オンザフライCRS変換を有効にする」にチェックを付けておきます。

データの測地系が正しく設定されていれば、変換されて同じ地図上に表示されます。

  ↓

Image 2011_12_17_002745.jpg



<傾斜区分図を作成する>


「ラスタベース地形解析」プラグインを使用して、傾斜区分図を作成します。

「プラグイン」→「ラスタベース地形解析」を選択して下さい。

  ↓

Image 2011_12_17_003914.jpg


このプラグインが表示されない場合は、

「プラグイン」→「プラグインの管理」で「ラスタ空間解析プラグイン」にチェックを付けてください。

  ↓

Image 2011_12_17_003928.jpg


ダイアログが表示されたら、

解析手法を「傾斜」にして、入力レイヤに変換するレイヤ名を選択します。

出力レイヤに保存するファイル名を入力するのですが、

フォルダ名に日本語があると変換できません。

また、ファイル名に日本語を使うと文字化けします。

なので、出力するフォルダ名、ファイル名は、すべて半角英数文字で設定します。

「結果をプロジェクトに追加する」にチェックを付けておくと、

ファイル作成後、地図に追加されます。

  ↓

Image 2011_12_17_005424.jpg



新しいレイヤが追加されたら、「merge」レイヤを非表示にします。

  ↓

Image 2011_12_17_005637.jpg


新しく追加したレイヤ名をダブルクリックし、プロパティを表示します。

  ↓

Image 2011_12_17_005758.jpg


「スタイル」タブの「カラーマップ」を「カラーマップ」にします。

  ↓

Image 2011_12_17_005834.jpg


「カラーマップ」タブを選択し、「エントリを追加」をクリックします。

ここで、角度ごとに色を設定していきます。

  ↓

Image 2011_12_17_010041.jpg


数字部分をクリックして、0から10度刻みで数字を入力していきます。

  ↓

Image 2011_12_17_010306.jpg


0は白、10は青、20は緑、30は黄色、40はピンク、50は赤、それ以上は黒

に設定します。

(角度や色は自由に変更しても構いません)

  ↓

Image 2011_12_17_010716.jpg


「OK」ボタンをクリックすると、角度ごとの色分けがされています。

  ↓

Image 2011_12_17_010923.jpg


起伏がわかりやすいように、陰影起伏図と重ねてみます。

前の手順で作成した「merge_sh_img.tif」を「ラスタレイヤの追加」で追加します。

  ↓

Image 2011_12_17_011156.jpg


レイヤの順番を入れ替えます。

  ↓

Image 2011_12_17_011218.jpg


傾斜区分図のレイヤをダブルクリックし、プロパティを表示します。

「透過性」タブの「全体の透過率」を50%くらいにします。

  ↓

Image 2011_12_17_011236.jpg


これで、陰影起伏図と重なって、地形がわかりやすいくなりました。

  ↓

Image 2011_12_17_011433.jpg


この他、等高線や林小班などを重ねると、もっとわかりやすい地図になります。


今回作った傾斜区分図は、

0〜10度までは「青」、

10〜20度までは「緑」

20〜30度までは「黄色」

30〜40度までは「ピンク」

40〜50度までは「赤」

50〜90度までは「黒」

に色分けしました。


林業専用道や森林作業道を計画する場合、25度以下くらいの横断傾斜の箇所を選定するので、

今回の地図だと「青」、「緑」、「黄色」の部分を通る計画をすれば、安い経費で計画できるということです。


現地の踏査を行う前に、この地図で線形の候補を設定しておけば、

現地踏査も少しは楽になるかもれません。


QGISでは、レイヤをGPXファイルに変換できます。

GPSにQGISで設定したラインをいれて、現地に行けば更に踏査が捗るでしょう。









posted by kouichi at 00:36| Comment(6) | GISその他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まさに今、作成しようと四苦八苦していた者です。
記事予告を見て更新を楽しみにしておりました。

DEM変換ツールで段彩図と陰影起伏図は作っていたのですが、
同時に作られるその他のtifはうまく変換できていないのか
と思っていたので、段彩図や陰影図を元データにして地形
解析にかけ、その結果失敗というドツボにはまっていました。

謎の灰色のtifは、カラーバンドを設定すればよかったという、
ちょっとしたことだけど大きなポイント、眼から鱗でした。
試しにmerge.tif をそのままカラーバンドを設定してみると
標高図のラスタに! つまりあれがDEMの本体なんですね。

また少しだけ、前に進みました。感謝です。
Posted by Yoh at 2011年12月17日 16:48
Quantum GIS 1.8.0-Lisboaより『ラスタレイヤの追加』でmerge.tifを選択(画面にグレーの四角表示)⇒レイヤのCRSをプロジェクトに設定する…画面は、何も変わらない。⇒『設定』⇒『プロジェクトのプロパティ』で確認すると説明の座標参照系(CRS)でなく空間参照システムCRS)になる説明内容(上記と異なる)??
Posted by 山口正彦 at 2013年05月02日 16:33
山口さん
プロジェクトのプロパティの画面が違うよ、ということでしょうか?
この記事は少し古いので、画面はver1.7.4のものです。
1.8ではこの画面が変更されています。
しかし機能は同じですので、読み替えて見てください。
Posted by kita at 2013年05月03日 09:48
UAVで取得した点群データをshapeファイル形式に変換しても、QGISでは読み込めないのでしょうか?また、座標があっているにもかかわらず、日本国内ではなく、当該データがアフリカ大陸西側ギニア湾に表示されてしまうといった現象の原因は?ご教授願えるとありがたいのですが。
Posted by 齊藤禎浩 at 2022年09月16日 10:31
齊藤様
シェープファイルであればQGISで読み込むことができますが、点群に座標がきちんと設定されていないのだと思います。
ギニア湾のあたりということは、座標がX=0、Y=0のあたりですので、点群データの範囲がX=0、Y=0を起点になってしまっているのではないでしょうか。
UAVで取得した点群データとはLASファイルでしょうか?LASファイルなら、3.26であれば読み込むことができますので、まずはLASファイルを読み込んで位置を確認することしてみてください。
Posted by kita at 2022年09月17日 00:42
また、今後の質問はQGIS初心者質問グループでされることをおススメします。
Posted by kita at 2022年09月17日 00:45
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