2016年12月22日

自治体のホームページで安心して使える地図の作り方

 この記事は、FOSS4G Advent Calendar 2016へ参加した記事です!

 

 2016年11月に香川県のホームページで地図の利用規約違反があったことを受けて、他の自治体でもホームページの地図の利用について確認や注意喚起が行われていることと思います。

 ホームページで安易に紙地図をスキャンしたものや、GoogleMapのスクリーンショットなどを使うと、利用規約違反になります。

 また、香川県での事例でも多かったのが「出典を明示していない」「承認番号を明示していない」という利用規約違反でした。出典さえ明示していれば自由に使える「地理院地図」や「OpenStreetMap」も、利用規約違反となってしまいました。(地理院地図の場合はサイズや枚数に制限があります)

 

 そこで、今後自治体のホームページで地図を掲載する場合、どのように地図をつくれば良いのか、紹介したいと思います。(自治体だけでなく、一般の会社などでも利用できます)


 ここで紹介する方法は、ホームページにラスタ地図を画像として貼り付けたり、地図のPDFファイルをホームページにアップするときの方法になります。



 はじめに結論を言っちゃいます


ある程度の見やすさと使いやすさのある地図の中で、申請をしなくてもホームページで使える地図は「OpenStreetMap」一択です。

 画像サイズによっては、「地理院地図」も使えますが、300x400を超える場合にはWebページ全体での枚数(5枚)に制限があるので、ほぼ使えません。

(地理院地図のWebページ全体(会社や組織全体)で5枚という制限は、非常に残念。組織が大きくなるほど使いづらい!)

 申請事務を行っても良いのであれば、やはり「地理院地図」がいいとおもいます。


 それでは、もう少し細かい内容を説明していきましょう。




 ホームページで使ってはいけない地図


 まずは、ホームページで基本的に使ってはいけない地図を確認しておきましょう。

 

  • GoogleMapYahoo地図などのWeb地図のスクリーンショット
    (埋め込み地図で動くようになっていればOK)

  • ゼンリン地図昭文社のMAPPLE地理院の地形図など、紙地図をスキャンしたもの

  • 出典の明示が条件の地図に出典を明示しないで使う

  • 国土地理院に測量法第29条の複製申請して作成した地図だけど、Webで使う申請はしていない地図(詳しくはこちらを参考にしてください。)
    (測量法第30条の使用申請を行って作成した地図は、作成者の許可があれば新たな申請なしに利用することができます)

  • その他、二次利用が許可されていない地図


 


 イラスト的な地図は使ってもOK


 地図がイラスト的な場合は、自分で作ったものや所属する会社や組織が所有するものであれば、ホームページに利用することができます。写真やイラストと同じ扱いですので、他人のものを盗用しない限りOKです。
 例えば、都道府県の区画のみをデフォルメしたものや、県内の市町村の白地図をデフォルメしたものなどは、精度がありませんので、イラストとして扱われます。

 フリー素材でもダウンロードすることができます。有名な「いらすとや」さんでも各都道府県のイラストなどがあります。


nihonchizu_name.png


いらすとやの都道府県地図




 申請をしなくてもホームページで利用できる地図


 申請をしなくてもホームページで利用できる地図は、次の地図になります。

 

  • 自分で作った地図(GoogleMapなどをトレースしてはいけません!)

  • OpenStreetMap

  • 1枚のラスタ画像のサイズが300x400ピクセル以下の地理院地図

  • 300x400ピクセルを越える地理院地図の場合、Webページ全体(会社や組織のページ)で5枚まで

  • PDFなどの報告書の一部に引用された地理院地図(全体ページのうちの割合に制限があり)

  • 作成者から使用許可を受けた地図

 

 自分で地図を作るのも大変だし、地理院地図の場合、サイズと枚数に制限があり、これを越えると複製申請が必要です。→参考:承認申請Q&A

 そのため、自由に利用できて、簡単に地図を作成できる「OpenStreetMap」が一番ホームページに使う地図としては利用しやすいでしょう。




 OpenStreetMapを使う場合の注意事項


 OpenStreetMapをホームページに使う際には、次のことに注意が必要です。

 

<出典の明示>

 OpenStreetMapは自由に使えますが、出典の明示が必要です。

 出典の明示は、利用した地図の一部又は同じページに「OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA」または、「背景地図にOpenStreetMapを利用しています。CC-BY-SA」などと記入します。

 「CC-BY-SA」とは、「クリエイティブコモンズのCC-BYライセンスを継承しなさい」という意味です。

 

<地図の正確性>

 OpenStreetMapは、地図のWikipediaといわれるように、誰でも自由に編集を行えます。地図を作成するソースも空中写真であったり、自分で記録したGPSデータなどです。

 そのため、地図には正確でない情報や古い情報も含まれます。

 ただし、正確でない情報は自分が編集者となって編集を行うことができます。そこもOpenStreetMapのいいところだと思います。(編集にはアカウント登録が必要です。また、編集した内容が直ちに反映されるわけではありません)



<地図のデザイン>

OpenStreetMapは、地図タイルで配信されています。地図タイルのデザインは様々なものがありますが、地図のデザイン自体を変更することはできません。

 自分なりに見づらいデザインでも、そこは我慢する必要があります。
 地図を切り替えて、デザインを選ぶことはできます。

 参考:OpenStreetMapの地図タイル


 

<領土問題>

 OpenStreetMapは、世界中の方が編集に参加しています。そのため、日本の領土問題に関する部分(北方領土、竹島、尖閣諸島、日本海など)には、国の方針と違う地名や地物の編集が行われている可能性があります。また、OpenStreetMapとしては、個別の領土問題には関知しないという方針のため、日本独自の名称などを登録することも現状はできません。(日本名に修正しても、速攻で元に戻されるかもしれません)

 デリケートな問題のため、その部分の地図をOpenStreetMapで利用するときには注意が必要です。




OpenStreetMapで位置図を作ろう


 OpenStreetMapを利用して位置図を作ってみましょう。


 

 Webで簡単に作成する場合

 

 Web地図を利用した位置図の作成には、地理院地図のUIにOpenStreetMapを表示できるようにした次のページを利用します。

 「地理院地図でOpenStreetMap(https://koukita.github.io/gsimaps)」

 

 地理院地図のUIは非常に使いやすく、簡単に地物を追加できたり、GeojsonやKMLなどのデータを表示することもできます。
 ただし、この方法では、細かい縮尺を指定することはできません。規定のズームレベルの縮尺のみ指定できます。



●目的の位置にマーカーを追加する

 

  1. 「機能」→「ツール」→「作図」を選択します。
    Image 2016_12_18_115505.png


  2. 表示された「作図・ファイル」の「マーカーの追加」をクリックします。
    Image 2016_12_18_120641.png


  3. 地図の目的の位置をクリックして、マーカーを追加します。
    Image 2016_12_18_120836.png


  4. アイコンをクリックすると、アイコンを変更できます。名称、属性(項目名、値)が必要であれば入力します。
    「確定」ボタンでマーカーを登録できます。
    Image 2016_12_18_121026.png


  5. 他に追加するマーカーがあれば、同じ手順で追加します。
    追加するマーカーがなければ、「終了」ボタンで終了します。


  6. マーカーをクリックすると登録した名称や属性が表示されます。
    Image 2016_12_18_121408.png



●ポリゴンやライン、テキストなどを追加する

 

 「作図・ファイル」ではポリゴンやライン、テキストを追加することもできます。

  Image 2016_12_19_222551.png




●追加した作図を保存する

 

 作図した図形をファイルに保存しておくことができます。保存するファイルは、「KML」と「Geojson」で保存できます。「KML」はGoogleEarthでも利用できます。

 作図はファイルに保存しないとWebページを閉じると削除されます。

  Image 2016_12_19_222552.png

 



●地図を切り替える

 

 登録された地図から、ベースマップを選択することができます。

 

  1. 右上の「情報」ボタンをクリックします。

  2. 「+情報追加/ベースマップ切替」ボタンをクリックします。

  3. 「ベースマップ」をクリックして、表示したい地図を選択します。

 2016年12月現在では4種類の地図を登録しています。今後増えていく可能性もあります。




●作成した地図を印刷する

 

  1. 「機能」→「ツール」→「印刷」で作成した地図を印刷するできます。プリンタにPDFプリンタを選択するとPDFファイルに保存することもできます。
    Image 2016_12_18_121913.png


  2. 印刷画面が表示されます。用紙サイズを紙の方向を選択します。
    Image 2016_12_18_122342.png


  3. 印刷画面の地図も自由に拡大縮小、移動を行えます。ちょうどよい位置に調整してください。


  4. 「印刷」ボタンをクリックすると、ブラウザの印刷画面が表示されます。プリンタなどを指定して、印刷を行ってください。



 印刷画面をそのままスクリンショットや画像として保存し、ホームページに利用することもできます。

 ただし、OpenStreetMapを利用するには、出典の明示が必要です。印刷した地図やスクリーンショットを行った場合にも、右下の「OpenStreetMap contributors CC-BY-SA」は削除しないでください。利用したい範囲に右下の出典表示が入らない場合には、新たに出典表示を明記してください。




 QGISで作成する場合

 

 QGISにOpenStreetMapを表示するには、インターネットに接続されている必要があります。地図をインターネット経由でマップキャンバスに表示します。

 従来であれば、「Openlayersプラグイン」などのプラグインを利用してOpenStreetMapをマップキャンバスに表示していましたが、今回は、WMTSレイヤを使って地図をレイヤに追加します。

 Openlayersプラグインを利用すると、印刷時に地図が小さくなるとか、地図が表示されないなどの現象がありましたが、WTMSレイヤではそのような不具合は発生しません。

 QGISで地図を作成すると、縮尺を細かく指定して地図を印刷することができます。



●WMTSレイヤにOpenStreetMapを追加する

 

  1. 「WMS/WMTSレイヤの追加」をクリックして、WMTSレイヤを追加するダイアログを表示します。 
    Image 2016_12_19_231419.png


  2. 「新規」ボタンをクリックして、「名称」に「OpenStreetMap」、「URL」に「http://koukita.github.io/experimental_wmts/osmtiles_wmts.xml」と入力します。
    設定したら「OK」ボタンをクリックします。
    Image 2016_12_19_231646.png
    Image 2016_12_19_231759.png


  3. 「接続」ボタンをクリックすると、レイヤに追加できる地図のリストが表示されるので、追加したい地図を選択して「追加」ボタンをクリックします。
    Image 2016_12_19_232131.png
    Image 2016_12_19_232230.png


  4. マップキャンバスにレイヤが追加されます。
    Image 2016_12_19_232413.png



●出典の明示を地図に追加する

 

 出典の明示を地図に追加します。
 印刷時のコンポーザには反映されないので別途ラベルを追加する必要があります。

 

  1. メニュー「ビュー」→「地図整飾」→「著作権ラベル」を選択します。
    Image 2016_12_19_232754.png


  2. 「著作権ラベルを有効にする」にチェックを付けて、著作権ラベルに「OpenStreetMap and contributors CC-BY-SA」と入力します。
    文字の色と表示位置は自由に設定してください。
    Image 2016_12_19_233054.png


  3. 「OK」ボタンをクリックすると地図に著作権ラベルが追加されます。
    Image 2016_12_19_233217.png




 地理院地図をWebページで表示する


 地理院地図ラスタの1枚画像を、申請無しでホームページに利用するのには、サイズや枚数に制限がありますが、地理院タイルをWebで動かせる状態であれば、ホームページに利用できます。

地理院地図http://maps.gsi.go.jp/)にアクセスして、前述のOpenStreetMapに作図した方法と同じ方法で、必要な図形などを地図に追加します。

 その後、「機能」→「ツール」→「共有」で地図を共有できます。

  



●リンクを取得


 リンクを取得して、メールなどで送信することで同じ地図の位置を送信者に送ることができます。リンクからは作図した図形は表示されないので、図形は「KML」か「Geojson」で保存して別に送信します。

 Image 2016_12_19_235147.png



●サイトに埋め込み

 

 下の地図のようにWebサイトに地図を埋め込むことができます。表示されたHTMLをWebページのHTMLソースに直接貼り付けます。

 こちらも作図した図形は表示されません。

 

Webページに埋め込んだ地理院地図


●名前をつけて一時保存

 

 作図した図形を含めたHTMLを保存できます。ブラウザで表示すると作図した図形も再現できます。保存したHTMLをWebサイトのサーバーにアップしてリンクを作成するか、WebページのHTMLソースにHTML文をコピーして地図を表示します。

 

北海道庁付近の地理院地図





 まとめ

 

 ホームページにラスタ画像やPDFファイルを公開する場合には、次の地図を使うといいでしょう。(著者の個人的見解です。全ての地図についてこれに従う必要は全くありません。)

 

  • 申請を行わない場合=OpenStreetMap

  • 申請を行っていい場合=地理院地図


 自治体などのホームページで利用する地図は、特に著作権や利用規約に注意する必要があります。使いたい地図がどのような利用規約であるかよく確認しましょう。

 

 できるなら申請事務の手間を減らして、簡単に安全な地図を使いたいと思います。そのような場合には、「OpenStreetMap」を利用しましょう。
 ただし、OpenStreetMapは、正確性や領土問題などに対応していない場合もあります。自分で編集することもできますので、ぜひ地図の編集に参加してみてください。

 

 複製申請をおこなっても良いのであれば「地理院地図」が地図の表現や更新頻度、最新の道路などが反映されているなど使い勝手が良いでしょう。

地理院地図や基盤地図情報の複製、使用申請は、書面での申請もできますが、Webサイトの「測量成果ワンストップサービスサイト」からも申請できます。利用する地図の種類などわかっていれば比較的簡単に申請できます。

 同じ使用目的であれば、1年間の申請を一括で行うこともできるようなので、国土地理院に問い合わせてみるのもいいと思います。

 申請して利用する地理院地図には、承認番号などを記載します。

 

 以上、著作権に配慮して、ホームページに正しい地図の利用を行いましょう!

 

 間違いや、こうしたら良いなど意見がありましたらコメントへお願いします。


 また、このページで紹介している「地理院地図でOpenStreetMap」「OpenStreetMapのWMTS接続用のxml」などは予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。



主な地図の利用できる範囲や利用方法など(xlsファイル)





 この記事を作成するのに参考にさせて頂きました。こちらも大変わかりやすいまとめですので、ぜひご覧ください。


行政サイトでウェブ地図を使う際の注意点などまとめ


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2016年11月22日

知床半島の立体図(CS立体図)を作成してみた

 2016年11月19日放送の「ブラタモリ」で、知床の地形について説明していたので、知床の立体図を作成してみた。


 Image 2016_11_21_235655.png

  図 知床の羅臼岳周辺の立体図



 また、2016年8月24日に大雨の影響で、羅臼において土砂崩れが発生しています。

 


この箇所の地形を立体図でアップにしてみました。10mメッシュですので少し荒いですが、地形がよくわかります。

 土砂崩れした箇所は、マウスカーソルの十字がある場所です。

 QGISのプロセッシングツール「SAGA」→「Slope aspect corvature」コマンドで作成できる様々な地図を傾斜図に重ねてみました。


 Image 2016_11_21_235759.png

  図 傾斜図(Slope)のみ


 Image 2016_11_21_235934.png

  図 傾斜図(Slope)+Profile Curvature


 Image 2016_11_22_000042.png

  図 傾斜図(Slope)+Longitudinal Curvature


 Image 2016_11_22_000202.png

  図 傾斜図(Slope)+Maximal Curvature


 Image 2016_11_22_000734.png

  図 傾斜図(Slope)+Cross-Sectional Curvature


 Image 2016_11_22_000844.png

  図 傾斜図(Slope)+General Curvature



 どうでしょうか?

 様々な立体図で見ると、土砂崩れした斜面の上流部には、沢地形があり、崖の手前で大きく南に曲がっています。かなり水の集まりやすい地形ですね。

 このような地形は、大規模な土砂崩れが発生する可能性が高いので気をつけなければいけません。特に北海道の海岸沿いで、隆起した地形はこのような地形が多いかもしれませんね。

 立体図で見ると、このような地形がよく分かるのでいいですね。


 「Cross-Sectional Curvature」や「General Curvature」で見ると、隠れた水道(みずみち)も地図で見ることができるようですね。


 このような立体図は、10〜30分程度で簡単に作成することができます。


 災害後の復旧計画にも、立体図を参考にすることができそうです。基盤地図情報の10mメッシュでも十分使えそうですね。


タグ:QGIS CS立体図
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2016年11月20日

QGISで「CS立体図」の「立体図」を作ってみた

 「CS立体図」という地図をご存知でしょうか?

 CS立体図は、傾斜図と曲率図と標高図を組み合わせた地図で、長野県林業総合センターで開発した、微地形を判読しやすくされた立体地図です。


・地形判読を行いやすくする立体図法

http://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/documents/iku_cs.pdf

・数値地形データを用いた「微地形図」の作成方法

http://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/seika/documents/bichikei.pdf


私も最近知ったのですが、林業の路網選定などには、非常に役に立つ地図のようです。


 長野県林業総合センターでは、ArcGISでの作成方法が紹介されています。この中では、「立体図」と「曲率図」を作成して重ね合わせる手法が紹介されていますが、「立体図」だけでもかなり立体的に見えるので、ここではQGISで作る、CS立体図のうちの立体図の作成方法を紹介します。



 Image 2016_11_20_205806.png

  図:ニセコアンヌプリ周辺の立体図


※今回作成する立体図の、曲率については、「Profile Curvature」という計算方法を使用していますが、これが本当に正しいのか、著者はわかっていません。もし他にいい方法があれば情報をください。

「Profile Curvature」で作成した地図は、等高線上の地形のシワが強調されて表現されます。




1. 標高DEMを準備する


  • 標高DEMを基盤地図情報などからダウンロードします。株式会社エコリスの変換ツールを使って標高DEM(Tiffファイル)を作成します。
  • 作成したファイル(merge.tif)は、日本語を含まないフォルダ、ファイル名にして保存します。



2. QGISのレイヤに標高DEMを追加する


  • 標高DEMをQGISに追加します。標高DEMのファイルをマップキャンバスにドラッグ&ドロップするとレイヤに追加することができます。

Image 2016_11_20_214521.png 

  図:レイヤに追加した標高DEM



3. プロセッシングツールで傾斜と曲率を計算


  • プロセッシングツールを使って、標高DEMから傾斜図と曲率図を作成します。メニューに「プロセッシング」が表示されていない場合は、「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」で「Processing」を有効にしてください。
  • メニュー「プロセッシング」→「ツールボックス」を選択して、プロセッシングツールボックスを表示します。
  • 「SAGA」→「Terrain Analysis - Morphometry」→「Slope aspect Curvature」を選択します。
  • 表示されたダイアログの「Elevation」に標高DEMレイヤを選択します。「Method」「Slope Units」「Aspect Units」は、デフォルト設定で構いません。
  • このコマンドは、たくさんのレイヤを作成する事ができますが、必要なのは「Slope」「Profile Curvature」の2つだけですので、それ以外の「アルゴリズムの実行後に出力ファイルを開く」のチェックを外します。
  • 「Run」ボタンをクリックすると、処理が開始され、新しいレイヤ「Slope」「Profile Curvature」が作成されます。

Image 2016_11_20_214422.png 

  図:「Slope aspect Curvature」のダイアログ



4. レイヤを名前をつけて保存する


  • 作成されたレイヤは、一時レイヤに作成されます。そのため、QGISを終了したら削除されてしまいます。
  • レイヤを右クリックして、「名前をつけて保存する」を選択します。
  • 「出力モード」を「生データ」にします。
  • 「形式」を「GTiff」にします。
  • 「パス」の「参照」ボタンをクリックして、ファイルの保存先を設定します。
  • 座標参照形を設定する必要がある場合は、「CRS」で選択します。
  • 「OK」ボタンをクリックすると、ファイルが保存されて、レイヤに追加されます。
  • 元のレイヤ(Slope、Profile Curvature)は削除します。

Image 2016_11_20_220440.png 

  図:「名前をつけて保存する」のダイアログ



5. 傾斜レイヤのスタイルを設定する


  • 傾斜レイヤのプロパティを開いて、「スタイル」を選択します。
  • 「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」にします。
  • 「色」を「Reds」にします。自動的にリストに数値が分類されます。
  • 「カラーレンダリング」の「混合モード」を「乗算」にします。
  • 「OK」ボタンをクリックするとスタイルの設定ができます。

Image 2016_11_20_222358.png  Image 2016_11_20_222446.png

  図:傾斜レイヤのプロパティのスタイル設定



6. 曲率レイヤのスタイルを設定する


  • 曲率レイヤのプロパティを開いて、「スタイル」を選択します。
  • 「レンダータイプ」を「単バンド疑似カラー」にします。
  • 「色」を「Blues」にします。自動的にリストに数値が分類されます。
  • 今回は、マイナス側を青にしたいので、「反転」にチェックを付けます。
  • 「カラーレンダリング」の「混合モード」を「乗算」にします。
  • 「OK」ボタンをクリックするとスタイルの設定ができます。

Image 2016_11_20_222820.png Image 2016_11_20_222856.png 

  図:曲率レイヤのプロパティのスタイル設定




7. 必要であれば、地理院地図などを背景に追加する


 必要であれば、地理院地図や等高線などを地図に追加すると、地図がわかりやすくなるかもしれません。

 長野県林業総合センターの資料では、標高DEMも重ねていますが、標高DEMは重ねなくても立体的でわかりやすいと思います。


Image 2016_11_20_223435.png 

  図:地理院地図を重ねた立体図



 CS立体図は、赤色立体地図よりも地すべりなどの地形が見やすいように感じます。

 長野県では、1mメッシュDEMを利用していますので、かなりの微地形を確認することができるようですが、基盤地図情報の10mメッシュDEMでも十分地形判読を行うことができます。

 地質図や地すべり位置図などを重ねることで、更に地形判読を行いやすくなると思います。


〜2016年11月24日追記〜

 長野県林業総合センターのCS立体図の中の人から、ご連絡をいただきました。

CS立体図の作成方法は、オープンなので自由に紹介して使ってほしいとのことです。CS立体図の普及によって、林業がもっと発展すれば嬉しいとのことでした。大変素晴らしい考え方です。

 また、長野県では全国の10mメッシュDEMを使って、CS立体図を作成済みとのことです。そのうち、自由にダウンロードできるようになると思いますので、非常に楽しみです。


 ダウンロードできるようになれば、また紹介したいと思います。


 

タグ:QGIS CS立体図
posted by kouichi at 22:47| Comment(0) | QGIS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする